登山写真の撮り方と、それを利用したい広告担当の方へ

ライター

初めましてリンクロです! フォトグラファーとして独立しまもなく2年。登山に目覚めてもうすぐ1年。 今では週1~2回山に登る人間になりました。
登る度に撮影している自撮りをまとめて写真集も自作している自然派フォトグラファーです。

山登り?ってことは根っからのアウトドア派に思われる事が多いのですが、実は結構なアニメ・ゲームオタクで、そもそも山に登り始めたのもRPGゲームの影響が強かったりします。
ちなみに好きなゲームはインドアにいながら自然が感じられる「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」です!(笑)

このページでは、最近増えてきた「登山・自然の撮影をしたいカメラマン」や、「自然での撮影プロモーション」を検討している広告担当者の方のために、自然の中での撮影のポイントを掲載していきます!

-LINKRO-
風景写真への造詣に深く、自然の中で手探りで写真を撮影していく感覚に没頭。その大自然の中に、幼少時代に影響を受けたRPGゲームの世界観のような、冒険に胸を膨らませる一枚を撮影するフォトグラファー。

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提供サービススチール撮影・イベント撮影・宣材写真撮影・プロフィール撮影・屋外撮影・自然撮影・得意なスキル屋外での撮影 特に山や自然の中での人物商品撮影 ライブや舞台などのパフォーマンス撮影 子供の撮影(七五三や家族写真など)[…]

登山撮影におけるフォトグラファーの意図

写真を撮るだけだったら、一般の方もスマホで日常で行ってますよね?
フォトグラファーの仕事と日常の写真撮影との違いを簡単にいうと、「相手の使用意図に沿った写真を撮影する事」で撮影する物に対して、「こういったイメージで撮影してほしい」というクライアントがいるわけです。
つまり、単純に行き当たりで撮影をするのではなく、そのイメージを持った写真を計画的に撮影するという事になります。

登山撮影の場合であればリラックス効果を感じさせたり、大自然の雄大さを伝えたりする所にあり、山によっても自然の雰囲気が変わるので、撮影するテーマに合わせてルートや季節での見え方を念入りに下調べをし計画をする事が重要です。

登山撮影で得られる写真の効果は大変高いものだと感じています。しかしその分危険な状況や体力が必要であり、これから登山を行うフォトグラファーにはしっかりと対策を練っていただきたいですし、広告担当者の方には安易に登山のしたことのないフォトグラファーに依頼をしてほしくはないと思います。

自然写真の効果

リラックス効果

自然の中にいるとリラックス効果がありますが、実は自然の写真にもその効果が認められてきています。
例えば部屋に自然の写真を目につくところに設置しておけば、日常がもっとリラックスできるようになり、もしそういった写真が自在に取れるようになれば日常の中でリラックス効果が感じられたり、広告のイメージにリラックス効果が入り込ませる事が期待できますね。

四季による印象の違い

日本の自然の中でイメージを語る上では四季は外せません。山における自然の印象は四季をまたぐ事でぐっと変わってきます。


春:長い冬が終わり、鮮やかな緑が新鮮な気持ちにさせてくれます

夏:強い青空とうっそうとしげる植物から力強さを感じます

秋:木々の色が緑から赤や黄色に変わり、芸術的な美しさがあります

冬:茶色の木々とまっさらな雪にはシンプルな味わいがあります

山によるイメージの違い

そして山によってもイメージは変わります。
標高が高くなると森林限界が起こり、大体2000~3000mの山では全く植物の生えて いない岩山があります。

例えば、
身近な高尾山では、木々の高さも低く、山頂でも木陰があり親しみやすさを感じま す。
ですが、東京最高峰の雲取山では背の高い木々も多く、またそこから見える景色の 広さも桁違いなため雄大さを感じます。
また、山梨県にある乾徳山では山頂に近づくほど大きな岩が力強くそびえ立ってい るので、スリルと冒険心が感じられます。

撮影イメージの決定

上記のように登山写真は時期や登る山(さらにルート等もありますが)によってイメージが大幅に違う事がお分かりいただけたと思います。商品やその写真のテーマをしっかりと決める事が大事になります。

注意すべき点

2度同じ写真は撮れない

自然は同じ条件になることがありません。植物は成長し、枯れ、天候・季節はすぐに変わります。自然の中での撮影は、上記のような変化に臨機応変に気付ける「観察眼」と変化に対応する「体力」を持っていることが重要です。

危険に備える

日本の山は標高が低いものが多いとはいえ、山をなめてはいけません。遭難や獣害等の危険性があります。山では何が起こるかわかりません。
天気が急に変わったり、道に迷ってしまったり、怪我をする可能性もあります。
私は山に行く際には、最低限
・最低1L以上の水
・レインウェア
・ヘッドライト
・携帯の充電器
・紙の地図
・熊避けの鈴
を持ち歩いています。

広告担当者であれば契約書上に
・トラブルが起きたときの補償について
・補償が手厚くかけられないのであればリスク料金や保険料金について
上記の締結をするのが重要な項目になります。

何か起きた際にどうするべきか。何を用意するべきか、
正しい判断をするための知識を身につけることが大切です。

ではイメージに沿って撮影するにはどうすればいいか

イメージが決まったら、次は実際に撮影をします。撮影するためには「観察眼」「地理の把握」「体力」「機材」が重要になってきます。

観察眼を養う

カメラというのは、景色を映す機械ではなく、光を取り込む機械です。だから「光を読む」ということができるフォトグラファーズ・アイ(観察眼)を持っていることが大事です。、

どこが明るくて、どこが暗いのか。何が反射していて、その反射がどこに影響しているのか。

そういう計算がフォトグラファーの頭の中で行われているかと思いますが、

特に自然界では、光源である太陽光が時間と共に移動したり、雲の中に陰ったりするので、この先どうなるかを予想し、方角を計算して、太陽光がどこに反射して、どこが陰り、どこが影響するのかを判断していきます。

対象物の地理を把握する

先ほどの観察眼とも関わりますが、撮影対象の地理を把握しておく事も大事です。せっかく計画しても地理を把握してなければ、対象物まで時間内の移動ができません。ルートどりもそうですがその分岐がどこで行われるかもメモをしましょう。

体力を事前に着けておく

撮影をするためには、10kg前後の登山道具を持ちながら(泊まりの場合は20~30kg) 三脚・レンズ・カメラといった5kg~の撮影用具を持ち歩かなければなりません。
登山をする前にランニングや、練習のために低山に登るなどタフネスをつけておき ましょう。私は最低でも週1回山に行き、毎日10kgのカバンを持ちながら10000歩以 上歩いたり、1km5分ペースのランニングをしています。

機材

登山では、撮りたい写真と自分自身の体力に見合った機材を選ぶ必要があります。
重さと体力の減少は比例関係にあるので、満足な撮影がしたい場合は、機材について取捨選択を計画しましょう

カメラ:ある程度の雨や埃に耐えられる耐久性と、重さ、そして撮りたい写真に見 合ったセンサーサイズと画素数のものを選びましょう

レンズ:山の撮影の場合は広角レンズが相性がいいです。また望遠になるほどレンズ は重くなる傾向があるので、カメラとバランスのいいものを装着しましょう。また レンズを変える際はゴミが入りやすくなるので、注意しましょう。

三脚:カメラとレンズに見合った上で、なるべく軽いものがおすすめです。風が強 い山頂や夜景の撮影をする場合は、ある程度の重さがあるものを選ぶようにしま しょう。

最後に

いかがでしたでしょうか?
山の撮影は注意することがたくさんありますが、刻一刻と変わる景色に、その場を動けなくなることが少なくありません。

また山に行くたびに同じ場所でも全く違う景色を見せてくれるので、
近くの山からでもぜひカメラを持って遊びに行ってみてください。

ただの景色の撮影に慣れたら、ちょっとしたアイテム(ペットボトルのお茶でも、 お気に入りのぬいぐるみなどでも)があると、撮影の幅が広がります。
たくさんシャッターを切って、自分なりの1枚を探してみてください!
※缶コーヒーの中で冴えわたるキリマンが一番好きで、登山のおともにいつも連れていってるので、今回題材にさせていただきました。

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