コロナ禍でイベント主催者・制作者ができる事(対策)

2020年2月~コロナウィルスが伝染し、世界的に伝染を防止するために衛生面や経済面で変革や、補助を要する事となりました。
そんな中、特にイベントに関しては、クラスターの元にもなると定義されその復活には時間を要しております。

コチラのページでは、このコロナ渦中でイベント主催者が開催に向けてできる事について衛生面と開催面からポイントをまとめてみました。※イベント主催者の一助になればと思いこのページは制作いたしました。必ずこちらのページだけでなく様々な情報(主に1次リソース)を照らし合わせて判断してください。

緊急事態宣言解除で政府が発表した事

5月25日の政府対策本部において、5都道県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県)に対する緊急事態宣言が解除されました。
同日より提言されたロードマップでは、8月~キャパシティに対して2分の1で開催可能になると記載されています。図は内閣府制作のイベント開催制限の段階的な緩和の目安として作成されているものです。

※イベント開催制限の段階的緩和の目安部分を抜粋。タップで元PDFが閲覧できます。

コロナウィルスとイベント

コロナ対策とイベントが矛盾

セミナーやカンファレンスのようなビジネス系等のイベント、クラブイベントやライブ等のエンタメ系イベント等、ジャンルは違えどイベントは人と人が直接のコミュニケーションをする事がメインコンテンツで、これが経済活動とは切っても切り離せない部分です。
コロナは人と人を媒介して伝染していく「ウィルス」であるので、そもそもがこれと矛盾しているのです。

オンラインイベントという選択肢

そのコロナ禍の中で、オンラインイベントという選択肢が産まれ、特にセミナーやエンタメ系イベントでは、配信という形でこの自粛期間中に世の中と接してきました。

オンラインイベントにはできない事がイベントにはできる。

そしてオンラインイベントの行い方も工夫がされてきたり、より技術的に進歩した形にはなりました。しかしオンラインのイベントはまだまだラグがあったり、装いや背景がいじれてしまう、音質がリアルにはかなわない、と受け手にとってはリアルなコミュニケーションとは感じにくいです。
またイベントを映像化したときに、それを掲載するライブプラットフォームの醸成もし切れておらず、イベントのオンライン化は捗っていない部分もあります。

第二派という驚異

そして現在想定されている脅威として、緊急事態宣言解除による、経済活動の復活により人の流動が本格化し、せっかく下がった感染者数の数字がまた上がる可能性があるという事が予想されています。
つまり状況を見ながらイベント主催者は何らかの対策を打っていかなければならないという事です。

具体的には、イベントに来場した方を保護し安全にイベントを行う
衛生面でのアクション」と、
イベントが有料の物として成立させる
開催面でのアクション

が必要です。

衛生面でアクションできる事

ここでは、イベント行うにあたって衛生的に気を付けていかなければならない事を「衛生面でのアクション」と定義しています。

信頼できる情報(1次リソース)からの情報収集。

政府・地方自治体・医療関係の1次リソースから情報を多角的に取って判断するようにしましょう。また、地域ごとによってもその情報の使い方は変わります。2~3次リソースはどこからその情報を取っているのか、そしてどのような例なのかという判断にとどめ、それだけで状況を判断しないようにしましょう。

マスク着用を義務化し受付で配る

マスクの流通も法令のおかげで安定し始めました。また増産を決定しているメーカーも多いです。イベントで着用を義務化し、さらに受付で配る綿密さも必要です。

収容人数あたりの入客数を2分の1にする。

政府が発信する最大の収容人数の要件だと、4㎡に一人とあります。(一人に対して2mの幅を取ると考えた場合)100㎡ある会場であればぎりぎり25人という事になります。
ですが、基本的にこのレベルで開催できるイベントはよほどキャパシティに余裕があって使用料金が低い会場となりますので、おそらく東京都内の会場はこの考え方だと厳しいでしょう。

逆に、政府の発信する最小の要件として、8月の段階での開催可能な収容率は50%(2分の1)と記載があります。具体的に収容人数という物について考えると、
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/jissen/syuyo_santei.pdf
コチラの東京消防庁が出している消防法にのっとった収容人数の考え方というものがあります。

流石にこれを読み下すのは大変なので
コチラの静岡市が発表しているPDFがわかりやすくまとめてますが、それでもこんなに多くの情報だと困惑しますね。
https://www.city.shizuoka.lg.jp/000803001.pdf

ざっくりまとめると、消防法で考えられているスペースに対しての収容人数というのは、1㎡あたりに2人までが基本的な考え方となります。
それの50%ですので、政府が考える最小の要件は1㎡に一人までという形が最小の要件となります。この計算だと100㎡の会場だと100人が入れる計算ですね。
イベントを開催する場所の直轄消防署に通常のキャパシティはいくつか問い合わせするのも一つの手です。


※抜粋静岡市制作「収容人数の規定」について

100㎡につき100人だと通常のイベントであればしっかり猶予があるイメージですが、今回のコロナ禍状況でいうと満足な距離感ではなく、対策をしたとは言えないと思われます。
そういった考え方をし、二つの要件の真ん中ほどを目指すとした場合は、2㎡あたりに1人、100㎡の会場であれば50人という事になります。
このぐらいであれば開催可能なイベントもあると思われます。

但しイベントスペース毎に有効な平米や、実際のキャパシティは違う事が多いです。客寄せのために大目に見積もっている会場もあります。
ので、イベント主催者はイベントスペースに対して「有効な平米はいくつですか?」やスペースの担当者が有効平米についてわからない場合は、「ゆったり目に人が入るとだいたい何人くらいですか」という質問をするのがマストでしょう。

換気を良くする。

通風口と排気口を造り、扇風機やエアコンのドライ等で、その補助をしましょう。外気と面するイベントスペースを採用するのも簡単です。

飲食の提供の工夫

食べ物は個包装、食器等は縦にして二人以上の人が同じ所を触らないようにセッティングしましょう。
飲み物の提供はセルフや使い捨てカップにした上で名前を書く等の他の人の再利用を防ぐ等の対策をしましょう。

同意書を来客者に書いてもらう。

入口で体調についての同意書を来客者に書かせたり、集客時のメッセージの中にアンケートのような形で体調に関する質問をするという事も必要だと思われます。
ただし上記の方法は大変簡単でその場でもできるのですが、受付が込む事が予想されるので、
ピィーティックスこくちーずのようなイベントポータルサイトで集客されている方はメールアドレス等の個人情報を取得する事ができるので、そこへ事前に同意書を送付したり、
フォームをい作成してオンラインで同意を取るようにしてもよいでしょう。一見して手間のように感じますが、来客者の安心につながります。

供用で使う物の定期清掃

供用で使う物、例えばトイレ等を細かく清掃する事も大事かと思われます。
清掃といってもなにも、飲食店のトイレのように完全に清掃するのではなく、
手で触る、蛇口・スイッチ・トイレのカギのような手で触る部分を重点的にアルコール消毒をするのがベストだと思われます。

お客様の過度な飲みすぎ等を避ける

アルコール度数の強い飲み物の提供を避け、泥酔したら退出という厳格なルールを設置しても良いかと思います。
仮に嘔吐されてしまうと、トイレ等であっても清掃するスタッフに対して伝染する可能性があります。単純に泥酔は周りの来客者にとって迷惑なので普段から行ってもいいくらいですね。

開催面でアクションできる事

これまでのは、イベント開催する条件として我々ができる事でした。しかしイベントに来てもらうのにハードルを上げたり、一人当たりの来客費用を高くする事と直結してしまい、
上述したキャパシティ当たりの人数を少なくなることや、様々な対策に対しての人件費や消毒用製剤やマスク等の衛生用品の費用がかかるため高単価になりがちです。
ので、ここから書く事は「それでも来客するようになるにはどうすればいいか」という事、具体的には【小規模高単価開催】にするにはどうすればいいのかという事です。

コミュニケ―ションタイムを設ける

オンラインイベントで多いのが、「配信」といった形式で1対多で交流するケースです。
チャットへすさまじいスピードで参加者がコメントしていますね。
何回かこの形式のイベントに参加しましたが、配信側のターンと、質問者のターンがあって配信側と質問者は交流できるものの、参加者同士の交流が行えない事がほとんどです。

リアルイベントは参加者同士が交流できるコミュニケーションタイムをいれて、より主催者を応援してもらいやすい体制を作りましょう。

様々な対策をしている事をSNS等の配信で定期的に伝える事。

衛生面でここはしっかりと対策をしているんだと伝える事が重要です。せっかく対策を講じても伝えなければ始まりません。

フェイスブックのイベントページやツィプラ等のイベントページ機能では、それが来場者とのコミュニケーションにもつながりますし、定期的な情報の発信とその履行は来客者にとって安心感を与えます。これは比較的費用もかからずコストパフォーマンスが高い行動です。

参加者にとっても出演者にとってもメリットのある出演者を用意する

開催するジャンルにおいて最も求められるゲストを出演させる事は高単価少数開催には重要なポイントです。
但し以下の二点が重要な事となります。

①コスト面でどこまでであれば費用が許すのかを確認する。
イベントにおいてコスト面は重要な意思決定を下す素材です。定期的な開催を行っているイベントであれななおさらです。出演者はそれだけですでにコストがかかり、大抵は費用が高ければ高いほど有名で集客効果の見込めるゲストであることがほとんどです。イベントの趣旨、制作イベントの重要性等を鑑みてコストパフォーマンスを比べましょう。

②必要以上にゲストをフューチャーする事は避ける。
ゲストを必要以上に演出したり、広告の中で取り上げてフューチャーすることは避けるべきです。出演料を払って、せっかくこちらが演出や集客を行ってもそれはすべてゲストのためになってしまいます。

「ゲストと代表者を絡めてのディスカッション」や「コンテストの採点者」のような”イベントの中での役割”を持たせる事で、一定の敬意を払いながら、ゲストの力を借りられる体制を作りましょう。

リアルイベントへオンライン要素を加える

開催したイベントをオンラインでも閲覧可能なように配信する事も大事です。ただしお金を払ってさらに来場までしてる来場者へオンライン滞在者との差をつけて、来場した意義を感じさせるようにしましょう。

リアルイベント参加者だけに有益な情報や資料、物品を提供する

オンラインとの違いを出すという事は明確に行ったほうがよいでしょう。ビジネスシーンなら有効な資料・エンタメならその日だけしか配られないグッズ等になります。
ではお金をかけてそういった物品を用意しなければいけないかというと、一概にそうではありません。予算はかけなくても、ビジネス系イベントであればその日取り上げたキーワードのwiki、エンタメ系イベントであれば出演者が焼いたクッキーのような物でも「特別な体験」は用意できます。オンラインイベントにはできない事を提供しましょう。

できるだけの演出を行う。

予算はかけなくてもできる演出は徹底して取り入れるべきです。
空き時間は音楽を流す、映像には常に何か流し続ける。こういった程度であればPC1台でだれでもできます。
予算に余裕があれば音響演出・映像演出を雇って特別な体験を作りましょう。この場合はせっかく雇ってるので、コンセプト・テーマに沿うように演出してほしいと雇った人に伝え、来場者にそれが伝わるようにしましょう。

ライター

ここまで、「衛生面でのアクション」と「開催面でのアクション」にイベント主催者ができる事をまとめてみました。私はイベント業界は短くても2020年9月までの間は打撃を受ける物だと考えています。

ただなくなるという事ではなく、色んな対策を講じ、無駄は省きより良くなったイベントが多くなると私は信じていますし、このページもイベント業界の一助になればと思い制作しました。より面白い、ソリッドなイベントを皆様と一緒に作り上げていきたいです。

-Michitaka Hirai-
大小あわせ年間100件以上、1000件以上のイベントを制作してきたディレクター。
クリエイティブ・イベント・パフォーマンス業務をディレクションし、
自身でもDJ・WEBデザイン・スライド制作を行い、hoshizoraを運営している。

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提供サービスイベント制作・クリエイティブディレクション・パフォーマンスディレクション・音響/照明/映像演出・プロジェクションマッピング等のディレクション・ウェブデザイン・パワーポイント・ムービー・DJ得意なスキルイベント制作[…]

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